前年同月比(YoY)とは — 月次売上データの読み方
小売・外食企業がIRで公表する月次売上は、ほとんどが「前年同月比(YoY)」の形で示されます。当サイトの月次DBも全社この前年同月比で掲載しています。このページは、その数値を正しく読むための用語ガイドです。事実と定義のみを扱い、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。
前年同月比(YoY)とは
前年同月比(英語で YoY=Year over Year)は、ある月の実績を、1年前の同じ月と比べた変化率です。たとえば「2026年6月の売上」を「2025年6月の売上」と比べます。計算式は次のとおりです。
前年同月比(%) = (今年の同月の値 ÷ 前年の同月の値 − 1)× 100
例: 前年6月の売上が100、今年6月が108なら、108 ÷ 100 − 1 = 0.08 = +8% です。前年より減っていれば、たとえば95なら −5% のようにマイナスで表します。
なぜ「前年同月比」で見るのか
小売・外食の売上には強い季節性があります。12月は歳末で伸び、2月は日数が少なく落ちる、といった具合です。単純に前の月と比べると、この季節の波に埋もれて実力の変化が見えません。前年の同じ月と比べれば季節要因が揃うため、「去年の同じ時期より良くなったか/悪くなったか」を素直に比較できます。これが月次売上で前年同月比が使われる理由です。
前年同月比(YoY)と前月比(MoM)の違い
MoM(Month over Month=前月比)は、直前の月と比べた変化率です。YoYが「1年前の同月」と比べるのに対し、MoMは「1か月前」と比べます。MoMは季節性の影響を強く受けるため、季節性の大きい小売・外食の月次売上では、各社ともYoY(前年同月比)を主に開示しています。当サイトの月次DBもYoYで統一しています。
- YoY(前年同月比): 1年前の同じ月と比較。季節性を揃えられる。月次売上の標準。
- MoM(前月比): 1か月前と比較。季節性の影響を強く受ける。
指数表記(前年=100)と増減率
企業によっては、前年同月を100とした「指数」で公表します(例: 108.0)。この場合、増減率に直すには100を引きます(108.0 → +8.0%、95.0 → −5.0%)。当サイトの月次DBは、指数で公表されている社もすべて増減率(指数−100)に統一して掲載しています。
既存店と全店の違い
月次売上には、集計範囲の異なる2つの系列があります。読み分けが大切です。
- 既存店(SSS=Same Store Sales): 一定期間(多くは開業13か月以上)営業している店だけを集計。新規出店の影響を除くため、1店あたりの地力を見るのに向きます。
- 全店: 新規出店・閉店を含む全店舗の合計。会社全体の規模の増減を表しますが、出店・退店のペースに左右されます。
同じ月でも既存店と全店で数字が違うのはこのためです。月次DBの各社ページでは、公表されている系列をそのまま掲載しています。
読むときの注意点
- 暦(曜日)の影響: 同じ月でも、土日や祝日の日数が前年と違うと売上が上下します。各社の月次コメントに「日曜が1日多い」等の注記が付くことがあります。
- 締め日の違い: 暦月(1日〜末日)で締める社と、21日〜翌20日などで締める社があります。月次DBでは対象月度をそのまま表記し、締め日は各社ページの注記に記しています。
- 速報値と確定値: 月初の速報が後日修正されることがあります。月次DBは最新の公表値を反映します。
- 前年の反動: 前年同月が極端に高い/低いと、その反動で今年の前年同月比が大きく振れます。1か月の数字だけでなく、数か月の流れで見るのが安全です。
関連ページ
- 月次DB 収録企業一覧 — 各社の前年同月比を全履歴で掲載
- 月次発表カレンダー(実測) — どの企業の月次がいつ出たか
- 数字の読み方ガイド — 相関係数・n・ラグなど統計側の読み方
本ページは月次売上データの一般的な用語解説です。特定銘柄の売買を推奨するものではなく、投資助言ではありません。