アノマリー検証一覧
「Sell in May」「夏枯れ」「月曜安」「辰巳天井」——株の世界には、季節やカレンダーにまつわる相場格言(アノマリー)が数多くあります。当サイトは業界統計の検証と同じ姿勢で、これらを日経225の長期データで一つずつ検証し、効いた格言も、効かなくなった格言も正直に公開します。
アノマリーは「過去にそういう傾向があった」という記録であり、将来を保証する法則ではありません。有名になった格言ほど効果が薄れる傾向があります。本ページは情報提供であり投資助言ではありません。数字の読み方
季節・月のアノマリー
| アノマリー | 検証結果 | |
|---|---|---|
| Sell in May(5月に売れ) | 40年では冬が優勢(冬+6.3%>夏-0.3%)。だが直近10年は逆転 | 記事 |
| 月別の上がりやすさ(何月が強い) | 4月が最強、8〜9月が最弱(夏枯れ)、年末も堅調 | 記事 |
| 節分天井・彼岸底 | 当たらず(節分→彼岸で平均+1.23%上昇)。むしろ春のラリー期間 | 記事 |
| ゴールデンウィーク前後 | GW前+0.29%・明け初日+0.34%と堅調だが、明け5営業日は-0.34%(勝率40%)と息切れ | 記事 |
日次・特異日のアノマリー
| アノマリー | 検証結果 | |
|---|---|---|
| 曜日効果(月曜安) | 日経225では確認できず。月曜もわずかにプラス | 記事 |
| 月内効果(月末月初高) | うっすら確認(月末月初は中盤の約3倍) | 記事 |
| 連休前効果 | 日経225では確認できず | 記事 |
| 大発会・大納会 | 大発会は強い(+0.27%)、大納会は弱い(勝率35%) | 記事 |
| 配当権利落ち(3月末・9月末翌日) | 62年では実在(3月末-0.15%・9月末-0.09%/他の月末はほぼプラス)。直近10年は消失 | 記事 |
| 株主優待の権利落ち(個別12銘柄) | 権利落ち日に下げるは実在だが、優待+配当が同日の月の-1.05%は9割超が配当落ち(純優待分は-0.05%・有意でない)。配当ゼロの優待のみ月でも-0.60%(t=-3.3)下がる一方、買われるrun-upは観測されず。約1500イベント | 記事 |
| メジャーSQ週(先物・オプ同時清算) | 「下げる」は確認できず(当日も週も勝率53%)。「荒れる」はSQ当日のみうっすら(ボラ約7%高) | 記事 |
| 月別のSQ週(どの月のSQが荒れる) | 6月SQ週だけ唯一マイナス(-0.20%・勝率46%)。振れは概ね平均並み(n=61参考値) | 記事 |
| 米雇用統計の翌営業日 | 方向はほぼ誤差(+0.07%・勝率53%)。振れは普段の約2割増し=「方向でなくボラの日」 | 記事 |
| FOMC・日銀会合前後 | 方向はほぼ読めず(FOMC翌営業日も日銀当日も直近5年で消失)。振れも普段の約1割増しにとどまる | 記事 |
| 超大型IPOは天井のサインか | NTT〜キオクシアの7件後、日経は12ヶ月で平均+21.6%(普段+6.2%)。下げたのは日本郵政1件だけで俗説は支持されず。ただし好況期集中の逆因果込みn=7参考値 | 記事 |
年・干支のアノマリー
| アノマリー | 検証結果 | |
|---|---|---|
| 干支相場(辰巳天井ほか) | この集計では酉年が最も高く午年が最も低い。ただし各干支5〜6回で勝率100%でも統計的意味はほとんどない | 記事 |
| ムーンフェイス(月の満ち欠け) | 年率換算は新月期が+22%で最も高く・満月直前(十三夜)は−5%で最も低い。新月>満月は前後半とも一貫だが差は両側t検定でt≈1.7・有意性は弱い | 記事 |
ファクター・戦略のアノマリー
| アノマリー | 検証結果 | |
|---|---|---|
| モメンタム(順張り) | 市場全体のトレンドフォロー(時系列)は効く(日経の上昇局面の翌月+0.97%)。だが勝ち組銘柄が負け組を上回る相対モメンタムはほぼゼロ(W−L年+0.8%・t値0.28)=日本のモメンタム・パズル | 記事 |
| 低ボラ/生存バイアス | 手元データで測ると教科書と逆の「高ボラ優位」が出るが、これは倒産・上場廃止した高ボラ株が標本にない生存バイアスの罠。クリーンには測れない(=採用しない理由を公開) | 記事 |
| バリュー vs グロース | Fama-French日本ファクター(生存バイアスなし)で実証。バリューがグロースを36年で約6.2倍上回り、HMLはt値2.64で有意。ただし主役は10年で交代。モメンタムが弱い日本でバリューは効く | 記事 |
| ファクター早見表(5+1) | バリュー/規模/モメンタム/クオリティ/投資を米ドル建てデータで一覧点検。1990年以降のこのデータで統計的に最も明確なのはバリュー(HML t=2.66)。他はこの期間・定義ではt<1でゼロと区別しにくい。市場プレミアムも明確とは言えない | 記事 |
| 規模効果(小型株) | 「小型株は有利」は日本では成立せず、36年で大型3.5倍>小型2.4倍(SMB t=0.28)。主役は年代で交代 | 記事 |
| クオリティ(高収益) | 「良い会社の株は儲かる」は確認できず、高収益−低収益は年+0.4%・t=0.36。良い会社≠良い株 | 記事 |
| ディフェンシブ株は下げ相場に強いか | 日経より下げにくいのは8銘柄すべて本当(対日経差 全下落月+2.57〜+4.48・急落月+3.52〜+7.21)。だが下落月にプラスで終えた勝率はほぼ全銘柄5割未満で「下げにくい」だけ。医薬は下位・最強はβ0.15の東京ガス。下落月n=137/急落月n=73 | 記事 |
| 金は株安の避難先か(ドル建て/円建て) | ドル建て金は日経の下落月+1.40%・ほぼ無相関(-0.015)で通説どおり。だが円換算では+0.70%と約半分に縮み、同月相関も+0.199へ順行。主因は下落月に同時進行する円高(ドル円 平均-0.51%)。実測ETF1540.Tでも整合。下落月n=98/急落月n=48 | 記事 |
| バリュー×モメンタム分散 | 両者は逆相関(−0.21)で50/50ブレンドはブレ最小(ボラ8.1%)。だがモメンタムが弱い日本ではバリュー単独に勝てない | 記事 |
検証予定
新元号・選挙年・季節イベントなど、順次追加していきます。「この格言を検証してほしい」というご要望も検証パイプラインで受け付け予定です。