アノマリー検証2026-06-13 公開

FOMC・日銀会合の翌日、日経平均は動くのか——過去11年・180回超を検証

FOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀の金融政策決定会合は、相場が最も身構えるイベントです。では「会合の翌日は荒れる」「結果が出ると一方向に動く」は本当なのか——FOMC会合後の翌・東京営業日と、日銀会合の当日・翌営業日を、2015〜2025年の日経平均の日次データで検証しました。先に結論を言うと、方向のアノマリーはほぼ確認できず、雇用統計のときと同じ「方向は読めないが、やや動きやすい日」という姿でした。

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📌 今日の持ち帰り
FOMC・日銀会合は、方向を当てるイベントではありませんでした。過去11年では、翌日・当日の上げ下げに強い偏りはなく、値動きの振れも普段の1割増し程度(雇用統計の約2割より控えめ)。見るべきは「上がるか下がるか」より、サプライズが出たときの値幅です。(過去検証であり、売買を勧めるものではありません)
このページでわかること/わからないこと
わかることわからないこと
FOMC翌営業日・日銀当日に方向の偏りがあったか次回会合後に上がるか下がるか
普段より値動きが大きかったか利上げ・利下げ・据え置きなど政策結果別の詳細な反応
全営業日との差・直近5年との違い個別銘柄の売買タイミング
過去にどう構えるべきだったか将来の利益

検証方法

結果①:FOMC翌営業日は「方向はほぼ読めない」

対象平均中央値勝率
FOMC会合後の翌・東京営業日(n=87)-0.18%-0.10%47%
参考:直近2021〜2025年(n=40)+0.06%-0.01%50%
参考:全営業日(n=2,688)+0.05%+0.08%53%

※本検証は平均・中央値・勝率の比較であり、統計的有意性を保証するものではありません。会合回数は、公式カレンダー上の定例会合・臨時会合の扱いや、日本市場の休場日との重なりにより変動します。

FOMC・日銀会合の翌日、日経平均は動くのか——過去11年・180回超を検証を表すグラフ
FOMC・日銀会合前後の日経平均(2015〜2025年)。方向の偏りは小さく、全営業日と大差ない。

FOMC会合後の翌営業日は11年平均で-0.18%・勝率47%と、全営業日(+0.05%・53%)よりわずかに弱含みでした。ただしこれは頑健な傾向ではありません。直近5年(2021〜2025年)に限ると+0.06%・勝率50%とほぼ消えてしまい、利上げ局面か利下げ局面かで符号も変わります。「FOMC後は売られやすい」と断言できるほどの偏りは、少なくとも日経平均の翌営業日には見当たりませんでした。

結果②:日銀会合は「当日だけ」ややプラス寄り(ただし参考値)

対象平均中央値勝率
日銀会合・最終日の当日(n=95)+0.13%+0.31%58%
日銀会合・翌営業日(n=95)-0.08%-0.06%49%
参考:当日・直近2021〜2025年(n=40)+0.04%-0.07%48%
参考:全営業日(n=2,688)+0.05%+0.08%53%

日銀会合は結果が昼ごろ出るため当日のうちに反応します。当日の中央値は+0.31%・勝率58%と全営業日よりやや高めで、現状維持や無難な結果を受けて買い戻された回が含まれていた可能性があります。ただしn=95の参考値で、直近5年(n=40)では中央値-0.07%・勝率48%とむしろ消えており、頑健な法則とは言えません。翌営業日は-0.08%・勝率49%とほぼ無風で、当日にいったん織り込まれた後は方向感が残らない様子でした。

結果③:振れは「普段より1割増し」程度

対象平均変動幅(絶対値)標準偏差
FOMC翌営業日1.01%1.32%
日銀会合・当日0.97%1.31%
日銀会合・翌営業日0.97%1.25%
全営業日0.91%1.32%

ここでの「平均変動幅(絶対値)」とは、各日の日次リターン(終値の前日比%)の絶対値の平均です(上下どちらに動いたかを問わず「どれだけ動いたか」の平均)。振れの大きさを見ると、FOMC翌営業日の平均変動幅は1.01%で全営業日(0.91%)の約1.1倍、日銀会合日も約1.06倍と、普段よりやや大きい程度でした。標準偏差ではほとんど差がありません。雇用統計の翌営業日(普段の約2割増し)ほど明確ではなく、「金融政策イベントだから極端に荒れる」というより「うっすら動きやすい日」にとどまります。会合の内容がサプライズだった一部の回(2016年マイナス金利、2022〜2024年の政策修正など)が振れを押し上げており、平常時はほぼ普段どおりだったと読めます。差は小さく、有意な売買ルールとして扱えるほどの差ではありません

結局どう構える?
やること理由
① 会合の結果で方向を当てにいかない翌日の方向の偏りはほぼ無く、直近5年では符号も消える不安定なもの
② サプライズ回の振れ・注文の誤発動に注意大きく動くのはサプライズが出た一部の回。事前カレンダーからは読めない
③ 過度に身構えない「金融政策イベント=極端に荒れる」ではなく、振れは普段の1割増し程度の「うっすら動きやすい日」

FOMC・日銀は「身構えるほど一方向には動かない」イベントでした。過度に怖がる根拠は薄く、サプライズ時の振れにだけ気を配るのが現実的です。

結論:方向のアノマリーではなく、せいぜい「やや動きやすい日」

「FOMC・日銀会合の翌日は一方向に動く」という方向の傾向は、2015〜2025年の日経平均では確認できませんでした。FOMC翌営業日の弱含みも、日銀当日のプラス寄りも、直近5年では消えてしまう不安定なものです。平均変動幅では、今回の集計上は普段よりやや大きい程度で、雇用統計ほど明確ではありません。金融政策イベントは「身構えるほど一方向には動かず、ほんの少し動きやすいだけ」——これが過去11年・180回超のデータが示す姿でした。サプライズが出れば大きく動きますが、それは事前のカレンダーからは読めない、というのが正直なところです。差は小さく、有意な売買ルールとして扱えるほどの差ではありません

会合回数の内訳(n=87/n=95の検算用)

集計に使った会合回数の根拠を、公式カレンダーで確認できる年別の回数として示します。FOMCは原則として年8回(緊急・臨時の電話会合は本検証から除外)、日銀の金融政策決定会合は2015年までは年14回・2016年からは原則年8回(2015年6月の決定で2016年1月以降に変更。臨時会合の単日開催は最終日として含む)です。

FOMC(定例)日銀(決定会合)
2015814
2016〜2025(各年)88
合計(理論値)8894
本検証の集計対象8795

FOMCは理論値88回に対し本検証はn=87。これは集計期間(2015〜2025年)の端で、会合の「翌・東京営業日」が日次データの範囲外に出る1件を除いたためです。日銀は理論値94回に対しn=95で、対象期間中の臨時会合1回を最終日として含めた差です(いずれも±1の範囲で、年別の定例回数と整合します)。会合日の一次ソースは FRB公式FOMCカレンダー日本銀行「過去の金融政策決定会合の開催日等」(取得日2026年6月13日)。

基準日:2026年6月13日。本記事は過去データの傾向を示すもので、将来の値動きを予測・保証するものではなく、投資助言でもありません。アノマリー・相関は時期によって効果が変わります。数字の読み方もあわせてご覧ください。

出典:株価データはYahoo Finance(日経225 ^N225・日次・調整後終値)。会合日はFRB公式FOMCカレンダー(federalreserve.gov)および日本銀行「過去の金融政策決定会合の開催日等」(boj.or.jp)。会合日の取得日2026年6月13日。集計期間2015〜2025年

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