過去連動あり2026-06-14 公開

「中国経済と日本株は連動する」は本当か——香港ハンセン指数×9銘柄で実測

「中国経済が悪くなると日本株も下がる」——よく耳にする言説です。中国は日本の主要貿易相手国であり、設備投資・インフラ需要・消費の変動が日本企業の業績に影響するという発想です。当サイトは一次データで実測して初めて「本当かどうか」を判断します。本記事では香港ハンセン指数(Yahoo Finance・^HSI)の月次YoYと、中国エクスポージャーが異なる日本株9銘柄の株価YoYを同月で照合しました。「中国で稼ぐ株」と「内需株」のどちらが効くかを数字で見ていきます。上海総合(A株)ではなく香港ハンセンを使う理由も末尾に記します。

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検証方法

結果:建機・FA・商社は+0.5前後で連動、中国消費は中程度、内需株は無関係

銘柄(業種)全期間 同月コロナ除外備考
ファナック(6954・FA)+0.603(n=306)+0.604中国設備投資
コマツ(6301・建機)+0.594(n=294)+0.584中国インフラ
伊藤忠商事(8001・商社)+0.537(n=306)+0.542
安川電機(6506・FA・ロボット)+0.526(n=306)+0.524
ダイキン(6367・空調)+0.432(n=306)+0.446
三菱商事(8058・商社)+0.429(n=306)+0.422
資生堂(4911・化粧品)+0.289(n=306)+0.269中国消費・中程度
ファストリ(9983・小売)+0.239(n=306)+0.216中国消費・中程度
OLC(ディズニー)(4661・レジャー)−0.006(n=306)−0.015内需=中国無関係(対照)
香港ハンセン指数YoYと9銘柄の株価YoYの全期間同月相関。ファナック+0.603・コマツ+0.594と建機・FA株が上位。伊藤忠+0.537・安川+0.526・ダイキン+0.432・三菱商事+0.429も連動あり。資生堂+0.289・ファストリ+0.239は中程度。内需対照のOLC-0.006は完全無関係。全lag0=同月=先行ではなく一致指標(先回り不可)。
香港ハンセン指数YoYと9銘柄の株価YoYの全期間同月相関。ファナック+0.603・コマツ+0.594と建機・FA株が上位。伊藤忠+0.537・安川+0.526・ダイキン+0.432・三菱商事+0.429も連動あり。資生堂+0.289・ファストリ+0.239は中程度。内需対照のOLC-0.006は完全無関係。全lag0=同月=先行ではなく一致指標(先回り不可)。

ファナック(6954)+0.603・コマツ(6301)+0.594・伊藤忠+0.537・安川電機+0.526・ダイキン+0.432・三菱商事+0.429——6銘柄が当サイトの目安(|r|≧0.40)を超え、判定は「過去連動あり」です。出典:香港ハンセン指数 Yahoo Finance(^HSI・月次)、株価Yahoo Finance、相関は当サイト算出(YoY×YoY同月)。基準日2026-06-14。

なぜ建機・FA株がトップか(見立て)

ファナック・コマツ・安川電機・ダイキンは中国での設備投資・インフラ建設に直接需要が連動する業種です。中国の景気が良ければ工場建設・工作機械・産業ロボット・空調の需要が増え、これらの企業の受注が伸びます。ハンセン指数が映す「中国の景気・投資家マインド」と収益の伝達経路がシンプルです。

ただしこれは「見立て(仮説)」です。実際には為替・日本国内需要・グローバルサプライチェーンなど他要因も影響します。

商社が+0.4〜+0.5台に入る理由(見立て)

伊藤忠・三菱商事は中国向け資源・食料・素材の取引が大きく、中国の景気動向が商社の収益に影響します。FA・建機ほど直接的ではないものの、+0.5前後の連動水準に達しています。

中国「消費」株は中程度にとどまる理由(見立て)

資生堂(+0.289)・ファストリ(+0.239)は中国での販売・インバウンド需要を持ちますが、設備投資ほど直接的に中国景気に連動しません。中国消費は政策・競合・ブランド力など複合要因で動き、景気指数との相関が薄れます。

内需株OLCはなぜ-0.006か(対照)

OLC(東京ディズニーランド運営)の業績は日本国内の集客・入場料・物販で決まります。中国の景気動向とは経路がなく、-0.006という数字はほぼ完全な無相関です。「日本株全体が中国に連動する」のではなく、中国で稼ぐ株だけが連動するという分類の重要性を示す対照です。

なぜ上海総合でなく香港ハンセンか

上海総合指数(A株)は外資の参入規制が厳しく、国内投資家・政策介入の影響が強い指数です。一方、香港ハンセン指数はグローバルな機関投資家が取引し、中国本土の経済実態をより素直に映すとされます。当サイトでは一次データとして^HSI(Yahoo Finance)を採用しています。

最重要:「先行でなく同月一致」——先回りはできない

全9銘柄でlag0(同月)が最強でした。これはハンセン指数が動く月にすでに日本株も動いていることを意味します。「ハンセン指数が先月上がったから今月建機株を買う」という先回りの使い方はデータで支持されません

ハンセン指数と日本の景気敏感株は「同じ中国・世界景気のリスク選好を同時に反映している」のです。

コロナ除外でも結論は変わらない

2020〜2021年のコロナ期を除外しても、建機・FA・商社の連動は頑健です。ファナック(+0.603→+0.604)・コマツ(+0.594→+0.584)・伊藤忠(+0.537→+0.542)——コロナの大振れを除いても+0.5以上の水準を維持します。コロナの共振に支えられた見かけの数字ではありません。

結論

「中国経済と日本株は連動する」という通説は、建機・FA・商社・空調株では本当でした。ファナック+0.603・コマツ+0.594・伊藤忠+0.537・安川電機+0.526・ダイキン+0.432・三菱商事+0.429——6銘柄が連動基準を超えます。一方、中国消費株(資生堂・ファストリ)は中程度(+0.2〜+0.3)、内需株のOLC(ディズニー)は-0.006で完全無関係です。「日本株」と一括りにせず、中国で設備投資・インフラを稼ぐ株かどうかで連動の有無が分かれます。全銘柄lag0=同月一致であり、先行指標としては使えません。

基準日:2026年6月14日。本記事は過去データの傾向を示すもので、将来の値動きを予測・保証するものではなく、投資助言でもありません。アノマリー・相関は時期によって効果が変わります。数字の読み方もあわせてご覧ください。

出典:香港ハンセン指数(^HSI):Yahoo Finance・月次・前年比(YoY)。株価:Yahoo Finance(調整後終値・月次YoY)。相関は当サイト算出(YoY×YoY・ラグ0〜6走査・全銘柄でlag0=同月が最強または同水準)。期間は約2001年〜2026年・n=294〜306。基準日2026-06-14

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