過去連動あり2026-06-10 公開

「インバウンド株」はどこまで本当か——訪日客数との過去連動を14社で測った

「インバウンド関連株」と一括りにされる銘柄は、本当に訪日外客数と連動しているのか。JNTOの月次統計23年分と14銘柄で測ったところ、看板と実態のズレがはっきり見えました。

結果ランキング(相関係数)

手法は共通仕様の通り(前年同月比変換・ラグ0〜6ヶ月走査・COVID期間除外)。表は各銘柄の最良値です。

銘柄2024年以降
(n=24-28)
コロナ前16年
(n=107-192)
全期間コロナ除外
(n=131-220)
京成電鉄 90090.720.330.32
PPIH(ドンキホーテ)75320.690.270.31
OLC(東京ディズニー)46610.570.370.27
三越伊勢丹HD 30990.530.370.41
花王 44520.88 ※lag4/n=260.450.45
JR東日本 90200.430.39
エアトリ 61910.40 ※n=34
寿スピリッツ 22220.40 ※lag60.25
Jフロント 30860.400.38
良品計画 74530.400.37
高島屋 82330.380.35
資生堂 49110.300.14
松屋 82370.230.16
サンリオ 8136-0.22-0.11

意外その1:相関が最も高かったのは「インバウンド株」と呼ばれない京成電鉄

2024年以降の相関0.72は今回の14銘柄で最大。成田空港アクセス(スカイライナー)を持つ京成電鉄は、訪日客が増えた月に株価も上がるという素直な関係が最も強く出ました。テーマ株のリストで名前が挙がることが少ない銘柄ほど、株価にテーマが織り込まれておらず、統計との生の連動が残るのかもしれません。

意外その2:資生堂より花王

「インバウンド株の代表」として必ず名前が挙がる資生堂は、コロナ除外ベースで相関0.14とほぼ連動していません。同社の業績は中国本土事業や構造改革の影響が大きく、訪日客数だけでは動かないことがデータに表れています。一方、化粧品・日用品を広く手がける花王は0.45と、検証した小売・サービス以外の銘柄では最も強い連動を示しました。

意外その3:サンリオは訪日客と「切れている」

キャラクターグッズで訪日客に人気のサンリオですが、相関はむしろ小さなマイナス。同社の収益はライセンスビジネス中心で、訪日客数の増減と月次の株価は連動していませんでした。「外国人に人気=インバウンド株」という連想は、収益構造を確認してから使う必要があります。

基準日:2026年6月10日。相関は因果関係を保証しません。本記事は統計データの検証結果を示すもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。n(サンプル数)が小さい数値は参考値です。

出典:JNTO 訪日外客統計/株価データはYahoo Finance(月次・調整後終値)

← 実証マップに戻る