業界統計×個別株2026-06-15 公開

「公共工事関連株」は土木出来高に動かない——道路・マリコン株を実測

補正予算・国土強靱化のたびに買われる「公共工事関連株」。だが実際の土木出来高(インフラの実需)と道路・マリコン・土木ゼネコンの株価を突き合わせると、目安の|r|≧0.4に届く銘柄はひとつもなかった。最大でも五洋建設+0.29。テーマ買いが先行し、株は月次の工事量では動かない。

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「国土強靱化で公共工事関連株」は本当か

補正予算や国土強靱化のニュースが出るたび、道路舗装・マリコン(海洋土木)・準大手の土木ゼネコンが「公共工事関連株」として物色される。では、実際に進んだ土木工事の出来高と、これらの株価は連動しているのか。国土交通省「建設総合統計」から土木の出来高(公共+民間・全国・月次)を取り出して突き合わせた。土木は約7割が公共工事で、いわばインフラ実需の温度計だ。

検証方法

結果:「公共工事関連株」は土木出来高に連動しない

結論から言うと、目安の|r|≧0.4に届いた銘柄はひとつもなかった。最も高い五洋建設でも+0.29で、大半は+0.2前後かそれ以下。大林組にいたっては弱い逆相関だ。

銘柄(分類)相関 r
五洋建設(1893・マリコン)+0.29
大林組(1802・ゼネコン)−0.27
熊谷組(1861・土木ゼネコン)+0.23
日立建機(6305・建機)+0.21
西松建設(1820・土木ゼネコン)+0.21
安藤ハザマ(1719・土木ゼネコン)+0.19
大成建設(1801・ゼネコン)+0.18
清水建設(1803・ゼネコン)+0.16
太平洋セメント(5233・建材)+0.16
コマツ(6301・建機)+0.15
東亜道路工業(1882・道路舗装)+0.14
鹿島(1812・ゼネコン)−0.07
戸田建設(1860・ゼネコン)+0.04
住友大阪セメント(5232・建材)+0.04
土木出来高(公共+民間)YoYと14銘柄の株価YoYの相関(2011-2026・n≈166)。最大でも五洋建設+0.29で|r|≧0.4はゼロ。道路・マリコン・土木ゼネコンは土木実需に連動しない(大林組-0.27)。INFRONEERのみ+0.57だがn=39の参考値で登録対象外。
土木出来高(公共+民間)YoYと14銘柄の株価YoYの相関(2011-2026・n≈166)。最大でも五洋建設+0.29で|r|≧0.4はゼロ。道路・マリコン・土木ゼネコンは土木実需に連動しない(大林組-0.27)。INFRONEERのみ+0.57だがn=39の参考値で登録対象外。

意外なのは道路舗装やマリコン——いかにも「公共工事で食べている」銘柄でも、東亜道路工業+0.14・五洋建設+0.29どまり。公共工事の実需が増えても、株価は素直には反応しない。

唯一の例外INFRONEER(+0.57)は参考値

検証した中で唯一+0.4を超えたのがINFRONEER HD(5076)の+0.57。ただしこれは前田建設・前田道路などが2021年に統合してできた持株会社で、上場後の系列が約3年(n=39)しかない。ラグも走査範囲の端(6ヶ月)に張り付いており、長期で確かめられた連動とは言えない。今回の登録銘柄からは外し、参考値として扱う。

なぜ公共工事関連株は土木実需に動かないのか(仮説)

ここで見たのは相関であって因果ではない。「公共工事関連株は買えない」という意味でもなく、「実際の土木出来高という月次データで先回りや裏取りはできない」という、データの読み方の話だ。

建設の三部作:着工・建設出来高・土木出来高

同じ日に検証した建設の数字を並べると、株との関係は見事にバラバラだった。

「建設関連株」とひとまとめにせず、どの数字を・どの銘柄で見るかで関係はまるで変わる——これが3本を通した結論だ。

まとめ

基準日:2026年6月15日。本記事は過去データの傾向を示すもので、将来の値動きを予測・保証するものではなく、投資助言でもありません。アノマリー・相関は時期によって効果が変わります。数字の読み方もあわせてご覧ください。

出典:建設総合統計(国土交通省・出来高のうち土木=公共+民間・全国・月次)。株価は Yahoo Finance(月次・調整後終値)。集計期間 2011年4月〜2026年3月(前年比 n≈166)。

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