統計検証2026-06-12 公開

「猛暑でビール株」は気温でも熱中症搬送者数でも効かなかった——18年分で検証

「猛暑ならビール株・エアコン株」——夏の定番連想です。当サイトは以前、東京の月平均気温との連動を検証して「確認できず」と結論しました。ただ、こう反論できます。「気温そのものより、実際にどれだけの人が暑さで倒れたかの方が、需要の実態に近いのでは?」。そこで今回は、総務省消防庁が2008年から集計している熱中症による救急搬送人員(18年・延べ80ヶ月)で、同じ仮説をもう一度検証しました。

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検証方法

結果:被害者数でも、やはり動かない

銘柄相関 r(同月)n
伊藤園 2593+0.2874
キリンHD 2503-0.1174
ダイキン 6367-0.0974
大塚HD(ポカリ)4578-0.0764
コカ・コーラBJH 2579-0.0774
アサヒGHD 2502-0.0774
サッポロHD 2501-0.0574
東京電力HD 9501+0.0374
熱中症搬送者数と猛暑関連株の相関。ビール・空調・電力は軒並み無相関、唯一伊藤園が+0.28。
熱中症搬送者数と猛暑関連株の相関。ビール・空調・電力は軒並み無相関、唯一伊藤園が+0.28。

結果は気温のときと同じ——むしろもっとはっきりしていました。ビール3社・ダイキン・東電・ポカリの大塚まで、軒並み|r|<0.11でほぼ無相関。「記録的な暑さで搬送者が倍増した夏」でも、これらの株価は特別な動きをしていません。

唯一プラス寄りだったのは伊藤園(+0.28)でした。お茶・麦茶という夏物比率の高い専業に近いほど効きやすい、という当サイトの他の検証(「専業ほど効く」)とも整合的ですが、それでも基準(0.40)には届かない弱さです。

なぜ「猛暑関連株」は猛暑で動かないのか

結論:夏の連想は「気温」でも「被害者数」でも確認できず

これで「猛暑でビール株・エアコン株」という連想は、気温(入力側)でも熱中症搬送者数(結果側)でも、過去データでは確認できないことになりました。二重に検証して二重に否定された連想は、監視リストから外してよい——というのが当サイトの結論です。夏の暑さで本当に動くものを探すなら、せいぜい夏物専業度の高い銘柄(伊藤園+0.28)に弱い傾向がある程度、と記録しておきます。

基準日:2026年6月12日。本記事は過去データの傾向を示すもので、将来の値動きを予測・保証するものではなく、投資助言でもありません。アノマリー・相関は時期によって効果が変わります。数字の読み方もあわせてご覧ください。

出典:熱中症データは総務省消防庁「熱中症による救急搬送状況」(2008〜2025年・各年5〜9月)を当サイトで月次集計、株価はYahoo Finance(調整後終値)

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